小さな悪の華 <デジタル・リマスター版> [DVD]

監督 : ジョエル・セリア 
出演 : ジャンヌ・グーピル  カトリーヌ・ヴァジュネール 
  • TCエンタテインメント
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感想 : 1
4

1970年の作品ということで、アメリカン・ニューシネマや日本のATGなど、暗く反社会的な映画が多く作られたこの時代の同じ空気の中で生まれた作品なんだなあという感じ。キリスト教圏では上映禁止になるのは当然な内容。寄宿学校や宗教で抑圧された環境というのは酷くいびつだ。(故に少年同士、少女同士の同性愛などのファンタジーが生まれるんだけど)ここに思春期の妄想や秩序からの逸脱(軽いものなら中二病や尾崎豊ですむだろうが)が加わり更に性への好奇心と恐怖が暴走を促す。少女二人というのは独特なものなのだろうか。自分も女なので男性の場合はわからないけれど、女同士の友達というのは上下関係ができやすい。仲はいいのだけれどどこか競ったり牽制しあったりと全く同格というのは難しい。この主人公の少女達にも指示する側と従う側とが存在する。守るといいながら一方の少女を危険にさらすのだ。そこが妙にリアル。監督は男性だけれど、実際に起こった少女二人による事件からインスパイアされ、そこに孤独だった自分の子供時代を重ね合わせている。アンヌ役の女優も「これはまさに自分だ」と思ったそうだ。この映画を若い子にお勧めして彼らと同じように共感されても困るのであえてダサく言うと、『黒歴史にすることもできなかったイタい女の子達のお話』でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 映画
感想投稿日 : 2015年12月20日
読了日 : 2015年12月19日
本棚登録日 : 2015年12月19日

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