60年代アメリカにあった黒人メイド(ヘルプ)と雇用主の白人女性との心の交流の物語。
根深い人種差別がテーマとなっているが、それ以外にも、女性の自立、育児、過程、友人関係、親子関係、などなど。。。
女性の生き方についてあらゆる面で考えさせられる一作だった。
なかでも印象に残っているのは、
黒人ヘルプをこき使い、炊事洗濯掃除すべてをやらせて子供の世話やしつけまで任せているくせに、食事もトイレも別、挙句の果てにはヘルプを泥棒扱いまでする。。。そんなひどい扱い方をする一方で、アフリカ難民の支援には積極的にかかわる。この矛盾がまかり通る世界。。。
そして白人家庭の主婦達の了見の狭さ。リーダー格の女性(ヒリー)には刃向えない。みんなが右を向けば左を見たくても右を向く。本音で付き合えない友人関係。考えの外れた人がいれば出る杭は打たれる。
しかし、その杭を打たれて精神状態もどん底まで落ちそうになっても負けずに原稿を書き続けたスキーターには誰もが大きな勇気をもらえたのではないでしょうか。
人種差別的なことは別として、女性同士の人間関係に関しては身に覚えがあることも多かった。
某国の新しい指導者が人種差別的な発言や行動を悪気もなくやるようになった昨今に誰もが読むべき作品だと思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年1月29日
- 読了日 : 2017年1月26日
- 本棚登録日 : 2016年11月26日
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