ヤルタ会談のチャーチル、ルーズベルト、スターリンの3ショットは、正義である彼らがドイツと日本にほぼ勝利の状態を喜ばしく思っているように見えます。
私はずっと、そう思っていました。
日本はスターリンの影響を受けなくて良かったとも、つい最近まで思っていました。
そんな私、この本を読むと驚くことだらけです。
1995年、アメリカ政府が戦時中のソ連と在米スパイの秘密交信記録を傍受・解読した文書、
いわゆる「ヴェノナ文書」の公開に踏み切りました。
この情報公開を契機に、アメリカの保守派の間で「第二次世界大戦の責任は、ルーズベルト民主党政権とその背後で暗躍したソ連・コミンテルンにもあるのではないか」という問題意識が再浮上し、第二次世界大戦を再検証する本が相次いで出版されているそうです。
もちろん評論家江崎道朗さんは「ソ連・コミンテルンの工作だけが日米戦争の要因だ」「日本は正しかった」ということを主張しているのではありません。
これまでの日米戦争論は、ソ連・コミンテルンという要因や、秘密工作というインテリジェンスを意図的に排除しており、あまりにも視野が狭いのではないかと、疑問を投げかけているのです。
安全保障、インテリジェンス、近現代史研究を専門とする江崎さんが、
たくさんの資料をもとに、とってもわかりやすく解説してくださっています。
大東亜戦争は何だったのでしょう?
近現代史の見直しは始まったばかりです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
☆日本史・古典☆
- 感想投稿日 : 2018年3月10日
- 読了日 : 2018年3月10日
- 本棚登録日 : 2018年3月10日
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