夢をつなぐ 山崎直子の四〇八八日

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年7月31日発売)
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(2014.03.12読了)(2014.01.20購入)
副題「山崎直子の四〇八八日」
著者 山崎直子
1970年、千葉県松戸市生まれ。
お茶の水女子大学附属高等学校卒業
1989年、東京大学工学部航空学科入学
東京大学工学部航空学科卒業。
1994年、アメリカ・メリーランド大学に留学(一年間)
東京大学航空宇宙工学専攻修士課程を修了後、宇宙開発事業団(現JAXA)に勤務。
1999年2月に国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙飛行士候補者に選ばれる。
2000年12月、山崎大地と結婚
2002年8月、長女優希誕生
2008年11月11日、スペースシャトル(STS‐131/19Aミッション)への搭乗が決定、
2010年4月5日から約15日間、宇宙へ飛行した

宇宙に関する仕事につくことをめざし、宇宙開発事業団に就職。宇宙飛行士に応募し、候補者に選ばれてから、実際に宇宙に行くまでの訓練の様子、結婚や出産、パートナーとのトラブル、宇宙ステーションでの仕事、様々のことが記されています。
宇宙飛行士の仕事について興味ある方にお勧めです。「課題図書」中学校の部、の帯がついているので、中学生以上であれば、読めるということでしょう。
宇宙飛行士、探検記、動物記、などは、小・中学生向けに出版されることが多いようですね。大人は、このような本はあまり読まないということなんでしょうね。

【目次】
プロローグ
第一章 夢の第一歩
第二章 訓練開始、ハードなサバイバルトレーニング
第三章 突然襲ってきた不幸
第四章 ヒューストンでの訓練漬けの日々
第五章 最後の追い込みと一回休み
第六章 宇宙へ
エピローグ それでもこの世界は、すべて美しい

●宇宙へ(18頁)
教師と宇宙というこの二つに、小さいころから漠然とした憧れをもっていた。
●大学(20頁)
航空学科を選んだのは、もともとモノを作るということが好きだったのと、宇宙で運用できるロボットの研究、開発に興味があったからである。
●宇宙飛行士の任務(40頁)
①アメリカのスペースシャトルに搭乗する(短期ミッション)。
②ロシアのソユーズに搭乗する(短期ミッション)。
③国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する(移動手段はスペースシャトルかソユーズ)。
●スペースシャトルの宇宙飛行士の任務(40頁)
①船長
②パイロット―船長が兼ねる場合もある。なお船長およびパイロットはアメリカ国民でなければならない。
③ミッションスペシャリスト(MS)―スペースシャトルの運航、ロボットアーム操作、船外活動などを行う資格を持つ。
④ペイロードスペシャリスト(PS)―スペースシャトル内の実験を専門的に行う研究者。
●訓練と実践(99頁)
「地球で練習していると思うな。いつも宇宙にいると思え」
「練習は本番のつもりでやれ。そして宇宙に行ったら、練習のつもりでやれ」
●色つきのシャボン玉(172頁)
地球では、色つきのシャボン玉はできない。色つきの液を作って膨らますと透明になってしまう。膨らましたシャボン玉を見るとシャボン玉の一番下のしずくには色がついている。
宇宙で、赤いシャボン玉液を膨らました結果は、赤いシャボン玉になった。
●味が変わる(176頁)
不思議なことに、宇宙に行くと味覚が変わるのである。
宇宙では、濃い味付けが好まれる。
●帰還前に塩水を(180頁)
地球上では重力の影響で体液が下半身に押されがちだが、宇宙では無重力なのでそれが上半身にまで回ってくる。すると脳は、体内の水分が余分にあると判断してしまうので、尿をたくさん出してしまう。そのため地球に戻るまえ、着陸の二時間前くらいからクルーは座席につき、塩水を補給するのである。

☆関連図書(既読)
「宇宙からの帰還」立花隆著、中央公論社、1983.01.20
「毛利衛 ふわっと宇宙へ」毛利衛著、朝日新聞社、1992.11.15
「宇宙実験レポートfrom U.S.A」毛利衛著、講談社、1992.11.25
「向井千秋・メダカと飛んだ15日」知野恵子著、読売新聞社、1994.09.09
「アポロ13号 奇跡の生還」ヘンリー・クーパーJr.著・立花隆訳、新潮文庫、1998.07.01
「月をめざした二人の科学者」的川泰宣著、中公新書、2000.12.20
「宇宙からの贈りもの」毛利衛著、NHK人間講座、2001.01.01
「宇宙で過ごした137日」若田光一・朝日新聞取材班著、朝日新聞出版、2009.11.30
「宇宙がきみを待っている」若田光一・岡田茂著、汐文社、2011.04.
「宇宙の渚-上空400kmの世界-」NHK取材班、NHK出版、2012.04.20
(2014年3月19日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
2010年4月5日午前6時21分スペースシャトル「ディスカバリー号」打ち上げ成功!!私は今、宇宙にいる!亡くなった女性宇宙飛行士の夢を女の子は受け継ごうと思った。それから24年、ついに夢が叶うときが来た。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 天文・地球
感想投稿日 : 2014年3月19日
読了日 : 2014年3月12日
本棚登録日 : 2014年3月11日

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