長征: 毛沢東の歩いた道 (講談社文庫 の 8-1)

著者 :
  • 講談社 (1995年6月1日発売)
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感想 : 3
5

(2012.02.06読了)(2012.02.03購入)
1911年10月に辛亥革命が起こり、1912年2月に清朝が滅ぶ。
1921年7月に中国共産党が作られ、次第に国民党と対立するようになる。
1930年11月蒋介石国民党軍は、紅軍殲滅作戦を開始する。紅軍第一方面軍は、1934年10月根拠地を捨てて西に向かって総退却を開始する。激流を渡り、雪山を登り、チベットの大草原を超え道なき道を突き進んで陜西省北部の新たな根拠地に辿り着いた。
最初8万5千を数えた紅軍は、その時わずか7千余名。12ヵ月にわたって行軍した距離は2万5千華里、1万2千5百キロに及んだ。
この戦闘をしながらの紅軍の大移動を「長征」と呼ぶ。(8頁)

この本は、「長征」の跡をたどり、当時の生き残りの人の話を聞いて載せています。
現在の写真と当時の写真も多数載せています。

【目次】
はじめに
第1章 赤都脱出
第2章 大河の彼方へ
第3章 底なし沼を越えて
第4章 黄土の根拠地
あとがきのかえて
その後の長征
年表

●纏足(112頁)
纏足は4歳前後の足の柔らかい時期から始める。親指を除く4本の指を足の裏へ折り曲げてがんじがらめに縛りあげ、さらに足全体を土踏まずを内側に、半月形に曲げて縛り続け成長を止める。纏足が仕上がるまで約3年間、激しい痛みに耐えなくてはならない。『三寸金蓮』すなわち長さ10センチ前後の足が理想とされた。纏足のために巻く布は、青い色の大きなもので、シワができないように糊に浸してかたくしてあった。
●食うために(114頁)
紅軍に入ったのは14歳の時だった。兄と二人で村に来た紅軍について行ってそのまま入隊した。紅軍のスローガン、人間平等、男女平等、地主打倒、軍閥打倒の呼びかけに共鳴したからだという。老紅軍の誰もがそういうが、何よりも軍隊に入れば食わせてもらえるというのが本音だった。国民党であれ紅軍であれ、食うためには軍隊に入るしかなかった。
●魚(157頁)
信仰深いチベット人は魚を食べない。魚を自分たちの祖先だと信じているからだ。
●回教徒(186頁)
ウイグル族を含めると中国の回教徒は1千3百万人を超える少数民族最大の信仰集団となる。革命中国、わけても文化大革命は回族を徹底的に弾圧した。

著者 野町 和嘉
1946年 高知県生まれ
1965年、県立高知工業高校卒業
1972年 サハラ砂漠取材
1978年、「サハラ」(平凡社)で日本写真家協会新人賞
1984年 「バハル」(集英社)「サハラ悠遠」(岩波書店)により土門拳賞を受賞
1990年、「長征夢現」「ナイル」(情報センター出版局)で芸術選奨文部大臣新人賞
1993年、「Rift Valley Odyssey-地球へ!-」(講談社)で講談社出版文化賞受賞
●野町和嘉の本(既読)
「写文集 ナイル」野町和嘉著、講談社文庫、1997.03.15
「祈りの回廊」野町和嘉著、小学館文庫、2004.04.01
(2012年4月4日・記)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 中国
感想投稿日 : 2012年4月4日
読了日 : 2012年2月6日
本棚登録日 : 2012年2月5日

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