サルトル『実存主義とは何か』 2015年11月 (100分 de 名著)

制作 : 海老坂武 
  • NHK出版 (2015年10月26日発売)
3.57
  • (5)
  • (13)
  • (15)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 180
感想 : 13
3

(2015.12.08読了)(2015.10.27購入)
Eテレの「100分de名著」のテキストです。
水曜日の夜10時からの放送を見たときは、わかった気がしたのですが、改めてテキストを読んでみると、さっぱりわかりません。
このテキストを読む前に、「実存主義とは何か」サルトル著・伊吹武彦訳、人文書院、を読んでみたのですが、やはりよくわかりませんでした。用語が独特なのが、壁になっているのか、頭の固さが問題なのか? 読んでみようなどという気を起こすのが間違いなのかもしれません。
表題は、「サルトル『実存主義とは何か』」ですが、
「この放送では『実存主義とは何か』を入口にして、サルトルの実存主義の原点ともいえる小説『嘔吐』を中心に、哲学書『存在と無』など、他の作品の紹介もするつもりです。」(8頁)
という事です。

【目次】
【はじめに】対話者としてのサルトル
第1回 実存は本質に先立つ
第2回 人間は自由の刑に処せられている
第3回 地獄とは他人のことだ
第4回 希望の中で生きよ

●サルトルと共に(8頁)
1968年の五月革命の世代の若者たちは「アロンと共に正しくあるよりは、サルトルと共に誤ることを選ぶ」としてサルトルの姿勢を支持した
●実存(18頁)
「実存」というのは、現にこの世界に現実に存在するということ。
●実存は本質に先立つ(20頁)
人間はまず先に実存し、したがって、自分の本質というのはそのあとで、自分自身でつくるものだ
みずからをつくるということは、未来に向かってみずからを投げ出すこと、すなわち、みずからかくあろうと「投企」することだ
●考えていられる人(33頁)
出会ったばかりのサルトルについてボーヴォワールは「一日中でも徹底的にものを考えていられる人」と書いています。
●価値(39頁)
「自由そのもの」として世界に投げ出された人間は、みずからおこなうことの価値を、自分自身で決めていかなくてはならない。
●二つの戦争(84頁)
一つはインドシナ戦争とよばれるもので、ヴェトナム民主共和国の独立をめぐる戦争です。この戦争は第二次大戦後の1946年から54年まで続きます。
ほどなくアルジェリアで植民地支配に対する武装反乱が起きる。こちらは54年から62年まで8年間続きます。
●異議申し立て(86頁)
大学とは「異議申し立て」の人間をつくる場所である。学ぶための唯一の方法は異議を申し立てることであって、異議を申し立てない人間には学ぶ価値がない

☆関連図書(既読)
「実存主義とは何か」サルトル著・伊吹武彦訳、人文書院、1955.07.30
「水いらず」サルトル著・伊吹武彦訳、新潮文庫、1971.01.25
「悪魔と神」サルトル著・生島遼一訳、新潮文庫、1971.12.25
「実存主義」松浪信三郎著、岩波新書、1962.06.23
「人間について」ボーヴォワール著・青柳瑞穂訳、新潮文庫、1955.06.25
「第二の性 Ⅰ」ボーヴォワール著・生島遼一訳、新潮文庫、1959.10.30
「第二の性 Ⅱ」ボーヴォワール著・生島遼一訳、新潮文庫、1959.11.05
「第二の性 Ⅲ」ボーヴォワール著・生島遼一訳、新潮文庫、1959.11.10
「第二の性 その後」ボーヴォワール著・福井美津子訳、青山館、1985.06.28
「ボーヴオワール自身を語る」ボーヴォワール著・朝吹三吉訳、人文書院、1980.04.30
(2015年12月19日・記)
内容紹介(amazon)
人間は自由に運命づけられている
1945年10月、サルトルがパリで行った講演と討論の記録『実存主義とは何か』。終戦による解放感と社会を覆う不安のなかで、哲学の枠を超えて熱狂的に支持された「実存の哲学」とはどんなものだったのか? 代表作『嘔吐』『存在と無』なども参照しながら、現代的な視座からサルトルの思想を読み解く。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 100分de名著(海外)
感想投稿日 : 2015年12月19日
読了日 : 2015年12月8日
本棚登録日 : 2015年12月6日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする