異端思想の500年: グローバル思考への挑戦 (学術選書 73)

著者 :
  • 京都大学学術出版会 (2016年1月20日発売)
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感想 : 4
5

かなり面白かった。表紙はブリューゲルのイカロスの墜落。
タイトルの「異端思想」は宗教的な意味合いではなく、圧倒多数の常識に反する思考力をもった思想家、ぐらいの意味合い。
扱っている思想家は、各章で
オッカムのウィリアム,パドヴァのマルシリウス
マキアヴェリ,スピノザ
レーナル,ディドロ
ランゲ。
名前ぐらいしか知らない思想家が多く、僕みたいな半可通にはちょうど良い。
著者ははっきり進歩史観を否定していて、時代の束縛を逃れるほどの強靭な思想であれば、その射程は現代でも有効だと考えている(いわく「永遠の相の下」に考える)。

オッカムのウィリアムは、もちろん『薔薇の名前』のバスカヴィルのウィリアムのモデルだが、著者もばらなま好きらしく、ちょくちょく話が出てきた。

レーナルの『両インド史』は、啓蒙主義時代の植民地主義批判の大著で、当時のベストセラーだったそうな。百科全書的な目次だけでも面白かったので、早速最初の一巻だけamazonで買った(定価の1/10ぐらいになってた)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 思想
感想投稿日 : 2016年9月20日
読了日 : 2016年9月20日
本棚登録日 : 2016年8月28日

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