修道士ファルコ (白泉社文庫)

著者 :
  • 白泉社 (2005年11月15日発売)
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感想 : 14
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「14世紀後半のスペイン。『鷹(ファルコ)』と呼ばれたナバーラ随一の剣客がいた。彼は、闘いに明け暮れた日々を悔い改めて、剣を捨て修道士となった」…という裏表紙の紹介文を読んで、「あらあら、なんだかエリス・ピーターズの『修道士カドフェル』シリーズに設定が似てるわね〜」と興味がわいて買ってしまいました。<BR>
ちなみにエリス・ピーターズの『修道士カドフェル』シリーズは現在は光文社から出版されてます。12世紀のイングランドを舞台に、元十字軍騎士の修道士カドフェルが探偵役となって、様々な事件を解決するミステリ。おもしろいですぞ。<BR>
それでもって「修道士ファルコ」ですが、こちらもわたし的にはかなりのヒット作。まずファルコがトンスラ(頭のてっぺんを剃る当時の修道士独特の髪型)にできない理由がオカシイ。ファルコの周囲にいる修道士仲間たちも、聖職者とは思えないユニークな人ばかりでオカシイ。
<BR>
なかでも写字生のアルヌルフがいい味出してます。自分は芸術的センスに優れていると主張しながらちゃっかり盗作してるは、それがバレても堂々と開き直るは、かなり笑えます。主人公ファルコも勤勉で修行に熱心なんだけど、前身が騎士なだけに事件になると引っ張り出され、つい騎士の血が騒いであとで反省しきりのところとか、浮世離れしていない、人間味たっぷりのところがかわいくて、好感度大です。<BR>
起こる事件には家督争いや修道院内での権力闘争(?)などもあるのですが、ユーモアいっぱいに描かれているので陰惨な印象は薄くサラリと読めました。<BR>
一応この1冊で完結しているようですが、まだまだ続編が作られてもおかしくない内容だと思います。雑誌連載時には掲載誌の都合で一時中断していたこともあったそうだし、ぜひ続きをとこかで描いてほしいものです。<BR>
(05.12.21読了)

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: コミック
感想投稿日 : 2005年12月29日
本棚登録日 : 2005年12月29日

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