この表題だと、アットホームかバトルかのどちらかに偏りがちと思ったけど、優しさも思いやりも嫉妬も家庭問題もバランスよく、大きな事件はないけど楽しく一気に読了。
〝わたし〟母であり、姑であり、祖母であるわたしの目線。
夫に蔑まれ、息子に先立たれ、娘に恨まれ、嫁と孫の3人で寄り添いながら暮らすわたし。
1センチほどの文庫本にしては登場人物がそこそこ多いけど、それぞれの個性がはっきりしていて迷わなくていい。
生きるって、生活するって綺麗ごとだけじゃない。仲良く暮らしていても嫉妬もするし、不仲に見えても思いやりはあるし、優しそうでも黒い部分はあるし、強そうにしてても弱いとこあるし、と人間らしさがちゃんと見えて面白かった。
ただそれは〝わたし〟が、娘で母で祖母である3世代を超えた〝私〟そのものだから共感できたのかも知れない。
今年の4冊目
2020.2.3
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
藤堂志津子
- 感想投稿日 : 2020年2月4日
- 読了日 : 2020年2月4日
- 本棚登録日 : 2020年2月4日
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