いつもの青春モノよりは主人公の年齢層が低いので買うかどうしようか悩んでいたのだが、たまたま書店に行った際に(最近はネットで本を買うことが多いので)この文庫の表紙を見てついつい買ってしまった。作者と世代が似ているし住んでいる地域(話の舞台となった場所)も近いのだが、全然違う幼少時代なんだなぁと思った。私が城下町でのんびりした空気の中で生きていたのと違い・・・この話が作者の実体験という訳でもないだろうが・・・廃れゆく炭鉱町の少年達の話なので街の雰囲気もやっている遊びも全然違う。でも、ノスタルジックは感じる。なぜだろう。昔は先生は絶対的存在だったし、体罰も親だって許容していた部分があった。私の頃は校内暴力(学校の窓ガラスを割るとか?)が始まる前だったし学校に行かないとどこにも居場所がないから不登校なんてものもなかったんだと思う。フナの解剖は当たり前だったし、蛙やトカゲにイタズラするのも通過儀礼だったと思う。だからと言って、時代が変わったのだし価値基準も違うのだから、「今時の子は・・・」とは言えないと思う。今も昔も社会に出てしまえば子供の頃の悩みなどホントに自分の周りだけの出来事で実際には大したことがない問題が多いのだが、それでも悩みは悩みなのだ。そして、悩んだり困ったり自分で解決出来たり出来なかったりで生きていくしかないのだ。それは諦めとは違うのである。
読書状況:読み終わった
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三羽 省吾
- 感想投稿日 : 2011年9月3日
- 読了日 : 2011年9月3日
- 本棚登録日 : 2011年9月3日
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