鬼畜 (二見書房 シャレード文庫)

著者 :
  • 二見書房 (2012年1月24日発売)
3.22
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本棚登録 : 271
感想 : 36

弟×兄。兄の為なら他の何もかもを壊そうとする弟。
【ネタバレ注意】

まず弟が最初から、幼少期から狂っています。羞恥や禁忌など知らない生き物で、常識というネジが飛んでいます。そんな弟を兄は当然恐ろしく思い、更に実の兄弟に欲情され気持ち悪さと恐怖を感じ、逃げ出そうとする所を弟が計画的に、精神的に追い詰めていきます。前半この描写が続くのですが、兄が怯えて恐怖に追われながら少しも好意の描写が無いので読んでいて精神的にキツイです。本気で嫌がる兄を執着して追いつめていく弟が恐ろしい。
弟は兄を愛しているのだと思います。けれど彼の根本的な部分が「狂っている」から、正常な愛の形を求めようとはしません。追いつめて閉じ込めて抱き潰して犯して、どんな手を使っても兄を自分のものにしようとする。その方法として肉親を殺して崩壊させたあたりから気持ち悪さがMAXで読む気がしませんでした。が、
その後から少しずつ「ああ、これは愛なんだな」という部分が見え隠れします。弟は本当に兄を愛しているし、兄も弟を受け入れようとしている。
けれど最後の最後で父も巻き込んでの兄弟父の3Pはちょっと…いっそ笑いが(笑)
結局弟の手の中へ堕ちた兄は、永遠に弟に囚われながら異常な執着心と愛情に魅せられて生きていくのでしょう。全て弟の思惑通り。それが彼らにとってしあわせなことだと思えるならちょっと特殊で狂気じみたヤンデレとして読めると思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年1月28日
読了日 : 2012年1月27日
本棚登録日 : 2012年1月27日

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