デッサンがしっかりしている度★★★★☆
着眼点の奇抜度★★★★☆
満足度★★★★☆
3作品からなる短編集。(とは言っても、一話あたり80頁で読みごたえ十分。)全ての作品に共通しているのは、「幸せ」だけでは終わらない、何かしらの痛みを伴う「愛情」。
【葦の穂綿】
小さな街の老舗和菓子屋で働く「鈴」が恋した彼は、恋愛感情を持たず、ただセックスするために女性と関係を持つような男だった。彼がそうした態度をとるには事情があって…
【半夏生】
カメラマンとして今一歩仕事に熱を込められないでいるリオ。「何も変わらないで人生終わるのだろうか?」と日々が過ぎる中、撮りたいものを見つける。それは、同じマンションに住む15歳の珪碁、ゴスっ娘にコスプレした彼だった。
【冬霞】
恭一は、双子のリキとチカを連れて逃げる。恭一は警察から、リキとチカは、自分達を育ててくれない両親から。
と、これだけだといかにもありきたりなストーリーなようだ。実際、話のネタとしては使い古されたものかもしれない。しかし、羅川さんが描くと、細部まで話が作り込まれてどこか他の作品とは違う。
ハッピーエンドの作品ばかりではない。けれども、どの作品にも心温まる瞬間が確かにあって、その瞬間を登場人物とともに感じることが出来るのが羅川作品の魅力なのではないかと思う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
マンガ*花とゆめ*
- 感想投稿日 : 2011年7月7日
- 読了日 : 2011年7月6日
- 本棚登録日 : 2011年7月7日
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