「神様のパズル」のスピンオフ作品で、天才女子高生(になった)穂瑞沙羅華が飛行機にのりたいがために考えたトンデモ理論で構築した量子コンピュータにふりまわされるサラリーマンと、それにふりまわされる平凡な女子大生の話。
人の悩みを導くために、神をつくる。
神をつくるために、人工知能で神の意識、量子コンピュータで神の無意識と世界を構築する。
"神"とはなにか、何をみたせば"神"かは考えているが、"世界"とは何か、何を構築したら"世界"なのかということには一切ふれないことに不満を感じる。
「人工知能が世界というシステムを構築する」というところで、膨大なソフトウェアの開発部分は人工知能が頑張ってくれるとしていいとしよう、じゃあ、人工知能さんは一体何をシステムとして構築するんですかね?本題じゃないことは理解してるけど、「資料をあたえたら勝手に~」という程度での描写じゃちょっと手ぬきすぎじゃない?
そもそも、ヒューマンインタフェースにしても、人工知能と人が会話でやりとりしているけど、そんなエラーが大量に発生するような手段をつかうなんて、ファンタジーがすぎる。量子コンピュータのエラーについてはちゃんとエラー検証するくせにね!!
SFとしてサイエンス部分の詳細をつめるのであれば、粒度をそろえてもらいたかったな。ストーリーとしては面白いんだけど、システム屋としての職業病で粗がみえるせいで、不満が無駄にたまってしょうがない。
あと、NP完全とかサラリーマン巡回とか、キーワードがでてるけど何のために話題にしたのかよくわからない。計算量の問題を解決できるっていうことをいいたいのかしらん。
- 感想投稿日 : 2012年7月6日
- 読了日 : 2012年7月6日
- 本棚登録日 : 2012年7月6日
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