愛媛県在住としての感想。予想に反して面白かった。
愛媛県生まれで愛媛県しか知らない人、愛媛県を全く知らない人、よりも、愛媛に引っ越してきた人、住んでいたことのある人たちが楽しめる本かも。愛媛に来てなんだか「???」と思っていたことが、「やっぱりそうだよね!」と腑に落ちる。
例えば、「愛媛は温暖で気候の変化にも乏しくてね、平穏な日常を変えようとする人は皆悪!的な~?」に「そうそうそう!」と思ってしまう。いい意味でも悪い意味でも「今あるものに満足」している県だと思う。道後温泉本館を建てよう!道後に人を集めよう!と奔走した道後町長も、変わり者扱いされて大変だったらしいことを初めて知る。今では「もう少し他にないの?」というくらい道後頼みの愛媛です。夏目漱石の「坊ちゃん」でも散々「田舎だ」とバカにされているにも関わらず、名著に登場したことだけをいいように受け止めて、もう至る所に「坊ちゃん」「坊ちゃん」の嵐です…。あと、やはり「雨戸」がないのは天災が少ない愛媛だから、らしい。(最近の家は頑丈になったのか?と思っていた。)
登場人物が皆さん辛口でおもしろい。
愛媛の案内人は、司馬さんが取り上げてくれるまで「秋山兄弟のことすっかり忘れてました!」とか「でも正岡子規のことは覚えとったけどね!」とユニーク。
著者であるもぐらさんは愛媛の人や風景に「田舎だなあ」と何度も連呼。
編集さんは、四国本を作ろうとするもぐらさんに「四国は売れないからダメ」と言い放ち、本が完成すると「面白くまとまりましたねー!」「四国なのに!」と言い放つ。
短いながらも、ロシア人捕虜のことや、愛媛県知事は5期20年間松山藩の世継だったこと(だから保守的?)なども盛り込まれています。
ミニマンガに描かれていた、「誰か四国に新幹線通してください」は、他所から愛媛にやってきた人たちみんなの切実な願いだと思う。(愛媛育ちの方々はそこに不自由を感じていない…。)
- 感想投稿日 : 2012年10月16日
- 読了日 : 2012年10月2日
- 本棚登録日 : 2012年10月2日
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