数多くの「上から目線」な事例や分析を見て思ったんですが、本書に出てくる問題のある上司や問題のある部下が自然に淘汰されてゆく自浄作用を持ったお上品な組織で働き、ストレスなく金を稼ぐことってのは人生の中長期的な最終目標の一つとして、より多くの社会人にベンチマークされた方がいいわ。
就活生の時点でこれを備えた組織を見分ける方法は色々あるんだろうが個人的にはたったひとつ。男性社員の結婚率(あわよくば奥さんの尻に敷かれてる)です。30,40過ぎた独身男性が固まってるような組織はマジで何やらせてもダメ。上から目線の温床。社会的責任を負いつつ他人に無償の愛を捧げ、他人の理不尽を無条件に許せる経験を重ねてきてない奴らに、若輩者の気持ちを汲み取ってもらうことなどはなから期待しちゃだめ。感覚的にわかるでしょうがね。
あと、上から目線を振り翳してくる部下がいる会社には、間違いなく上から目線を振り翳してくる上司がいる。彼らの上から目線のベースにあるのは美化されきった過去の苦しい経験。よほど苦しいことをやらないと収益の上げられない時代を経験した彼らが厄介なのは、その宝石のような経験値を右心房の隅にある宝箱の中にしまう傾向があること。時間が経てば経つほど輝きを増すその宝石を、たまに取り出してはうっとりしながら見惚れてる上司なんですが、その宝石の前ではどんな部下の苦悩も、鈍い光を放つゴミも同然なわけです。手垢のついたパチンコ玉のように。
まぁな そういう上司がいなくてもやっていける余裕のある会社であれば、採用試験で上から目線ポテンシャルのある新卒を弾けるはずだし(そして万が一紛れ込んでも自浄できる)せいぜい学生諸君には学歴とガクチカを磨いて、私のいるユートピアを目指してほしいところだね。
- 感想投稿日 : 2023年6月2日
- 読了日 : 2023年5月30日
- 本棚登録日 : 2023年5月30日
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