1950年以前生まれの38人の方が語る「私の戦後民主主義」。思想的政治的立場は様々だが、自身の人生と切り離せないものとして「戦後民主主義」を生きてきたと語っている点が共通している。空気のごとく当然そこにあるものとして享受してきた自分などには、民主主義を語る言葉が乏しいなあと気づく。
何人もの人が言及しているのが「民主主義はうまいやり方ではないが、(今のところ)これに代わるものはない」という考え方。これは本当にそう思う。若い頃は「民主的」と言う言葉には、「ぬるい」「妥協的」「タテマエ」「実際には威圧的」というような響きを感じていて、使いたくないものだった。今のように多くの人が、特に若い人が、切実な気持ちで口にする言葉になるなんて思いもしなかった。自分は「民主主義」をどう語るのか、問われていると思った。
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カテゴリ:
社会・文化評論
- 感想投稿日 : 2016年3月4日
- 読了日 : 2016年3月4日
- 本棚登録日 : 2016年3月4日
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