イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ

  • 翔泳社 (2012年12月6日発売)
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■目的
仕事だけではなく、個人としての幸せを追求した時にどのようことを意識すべきなのか、それをビジネスのフレームワークに落とし込むとどうなるのかを学ぶため。

■本質
一個人としての幸福≠学歴・職業上の成功ではない。

■感想
本来ビジネスにおいて、想定リターンに基づいて投資を決定するという至極当然なプロセスがことプライベートの設計になるとおろそかになるケースが散見される。様々な書物に、死ぬ前の公開は「仕事をし過ぎたこと」になると読むがそれでもワーカホリックに生きてしまう人が多いが、そんな状況に対する明確な回答になっているのが本書である。

■ポイント
・過去の経験<理論。理論はこれから発生する事象を予測することができる。過去の経験では、レバレッジが効かない。
・動機付けとは、しぶしぶなっとくさせるというレベル感ではなく、本心からやりたいと思ってもらえることをいう
・「仕事に不満がある」の反対は、「仕事に満足している」でないことがポイントである。そのため、不満を消したとしてもその仕事を好きになることはない。
・「この仕事は自分にとってどんな意味があるの?」「何が学べるの?」「責任を任せられる?」などが本当の意味での動機付けになる可能性が高い。年収などの数値化しやすいところに心を乱されるべきではない。
・良い仕事や良い環境をはじめから見つけることはできない(本当に何が欲しいのか?などの定義もそもそも難しい)だからこそ自分が求めているものを見つけられる・納得解に到達するまで何度も試行錯誤を繰り返しできるようにしておくことが大切である。(ホンダのカブの事例)=創発的戦略と意図的戦略のバランスをとるべきなのだ。行き当たりばったりを創発的戦略とするのはナンセンスだが、意図的戦略ですべてをまかなうことはできない。(=人生においては、1/1で正解を見つけることはまずできないから、本当の自分の心の声に耳を傾け続けることが大切)
・自分の人生という事業における、投資が適切になされているかしっかり目を配るべきだ。
・人生において大切なものは短期的に快楽や楽しさを提供してくれず時間をかけてリターンをもたらす。だからこそ、中長期で投資が必要なものに投資をしづけられるかが大切だ。
・企業も何か乗り越えるべき困難なシチュエーションをあたえられたときに能力を得ることがある。その中途半端な手助けの方が能力獲得の機会をうしなうことになる。
・既存の事業がある場合企業は限界便益と限界費用の考え方で投資を決定するが、結局その思考でとらえると、新しいチャレンジではなく、既存の成長(持続的な成長)を求めることになってしまう。だからこそ、限界思考のマインドのバイアルがあると自覚しよう。(イニシャルコストに耐えよ)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス本
感想投稿日 : 2023年5月1日
読了日 : 2023年5月1日
本棚登録日 : 2023年5月1日

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