中高年ひきこもり―社会問題を背負わされた人たち― (扶桑社新書)

著者 :
  • 扶桑社 (2019年11月2日発売)
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8050問題より中高年の引きこもりが社会問題となっている。そのことを現存の資料だけでなく当事者からの聞き取りからまとめた著作であり、引きこもりの中高年問題にターゲットを当てた著作としては初めてではないか。私自身の経験では若い時からの引きこもりをしている人が中年にまで至っている人が多いという印象だったが、一旦社会に出て働いていて仕事や労働問題などでドロップアウトをして引きこもりになっているケースも多いということが本書では分かった。著者が労働問題に関与が強いこともあり、その部分での考察も多かったが、本書の優れている部分は当事者からの語りから現実に迫ろうとする部分であり、彼らのつながりを緩やかに支援することが大切であることが分かった。引きこもりの実態は多様であり、定義も曖昧な部分もあり、十分な調査もされているとは言い難い所もあり、本書に続くような著作や研究が求められるところである。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年1月8日
読了日 : 2020年1月8日
本棚登録日 : 2020年1月8日

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