2015年の58冊目です。
順天堂大学医学部の「がん哲学外来」の病理学者:樋野興夫さんの著書です。
がん患者さんに”言葉の処方箋”を送り、生きる希望を与えている医師の「命」
に対する考え方=哲学が簡潔な言葉で、収められた本です。
がん患者さんでなくても、多くの箴言として受け取れるものがあります。
■自分にしかできないことは案外少ない。
それに全力を傾ける
==何でも「自分が、自分が」をやめてほとんどを人に任せる。==
==そうすることで品性が生まれる==
あなたにしかできない仕事に多くの時間を割く。
会社人生の先が短くなってきた私には、心に響く言葉です。
■何もしなくてもいい。黙ってそばにいるだけで相手の心は満たされる。
==無理に何かをやる必要はない。あなたは、ただそこにいるだけで
==価値のある存在なのです
新渡戸稲造の弟子であった東京大学総長南原繁の言葉として「何をなす
(to do)前に、何かである(to be)ということを考えよ。それが先生(
新渡戸稲造)の一番大事な考えであった」と紹介されています。
別の本でも読んが事があります。何をなすかより、自分がどうあるべき
かを考えなさいと。
このそばにいるだけで誰かの心を満たせる”存在”でありたい。
■自分以外のものに関心を持つと、やるべきことが見えてくる
==誰にでもその人にしか残せない贈り物がある。==
この本のタイトルにもなっている「明日この世を去るとしても、今日の
花に水をあげなさい」という言葉を患者さんに贈っていると書かれています。
宗教家マルティン・ルターの言葉をベースにされているとのことです。
ここでは「花」と表現してありますが、自分以外に関心を持つ対象は、
何か自分にふさわしいものを見つけることができればいいということですね。
- 感想投稿日 : 2015年12月30日
- 読了日 : 2015年12月30日
- 本棚登録日 : 2015年12月30日
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