観光亡国論 (中公新書ラクレ)

  • 中央公論新社 (2019年3月7日発売)
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感想 : 24
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アレックス・カー氏の著書はもう何冊か読んでいるので、既視感がある記述も多いんだけど、何度読んでも納得できる指摘が多い。

文字だらけ(禁止文言だらけ)の観光地や電線だらけの町並みは、見ていて気持ちがいいもんじゃない(東南アジアなみにカオスになるとあれはあれで面白い 笑)。

〈商店街が観光地されることで、それまでの町とは関係のない業者や商品が入ってきて、その地域全体の文化や個性が消えてしまう〉ことはしばしば起こる。

横浜の中華街が典型か。店の人が中華街の中に住まなくなったことも背景にあるようだ。同じ神奈川だと鎌倉の小町通りも。最近は駅の逆側の御成通りも観光地仕様になってきている。

一時期、さかんにクルーズ船を誘致しようなんていう動きがあった。だが、本書を読んでいる限りだと、どこもかしこも誘致というのは、うまくいかないようだ。

わざわざ環境破壊してまで、観光客の受け入れキャパのない街に数千人規模の豪華客船を誘致するメリットはない。コロナ禍でクルーズ船のイメージが悪くなり、当面は誘致なんて言葉も出ないのかもしれないけれど。。。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 地方創生
感想投稿日 : 2021年4月2日
読了日 : 2021年4月2日
本棚登録日 : 2021年4月2日

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