昆虫シリーズ第3弾です。
今回は1作目でものっそ嫌な男だったタランチュラと、
家畜化された唯一の虫であるカイコガのお話です。
自分一人では生きることも出来ないくらい身体の弱い
受は、口をきくことが出来ず、すぐに熱を出すし
転けただけでも歩けなくなってしまうこともあるくらい、
とにかく弱い種です。
そんな日々を生きるだけが精一杯で、明日死ぬかもしれない
という毎日を送る受のことを、うっかり好きになって
しまう攻という構図。
勿論、一途にずっと攻のことを大好きだった受を、最初は
ロウクラスに対する嫌悪もあり(詳細は1作目)、攻めは
暇つぶしのようにして付き合うんですが、受の健気さに
絆されて、気がつけば自分が蜘蛛の巣に引っかかっちゃった状態。
にもかかわらず、紆余曲折あって受に振られ涙涙な展開に
なった時には思わず、
攻ざまぁ
な気持ちになるんですが、とにかく全編通して受けが
健気で健気で健気で、もう胸がきゅんきゅんします。
胃の腑がせり上がるような切なさもあり、ことある事に
命の危険にさらされる姿は、攻じゃなくても庇護良くそそります。
1作目の攻を見てると、最後の方ではここまでデレたか……
というくらいの変貌っぷりに、愛は人を変えるもんなのね、
と胸が温かくなりました。
一緒にいられる時間は少ないかもしれないけど、幸せになってね。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
樋口美紗緒
- 感想投稿日 : 2014年5月28日
- 読了日 : 2014年5月28日
- 本棚登録日 : 2014年5月28日
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