複製技術時代の芸術 (晶文社クラシックス)

制作 : 佐々木基一 
  • 晶文社 (1999年11月5日発売)
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感想 : 28
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映像や写真の勉強をしている人なら、一度は耳にしたことがある本だろう。

著者・ベンヤミンは20世紀を代表するドイツの思想家だ。
彼が残したテクストは、世界中の哲学者や思想家に引用され、影響を与えた。

この本も哲学書だが、平易に書かれている。専門知識がなくても、読める。
本来、芸術は礼拝的価値があった。「いま・ここに」という一回性が神秘と祈りに結びついていた。そこにアウラ(オーラ)と呼ばれるものがあった。しかし、複製技術によりアウラが消え、礼拝するものから展示するものへと芸術は姿を変える。この指摘はおもしろい。


古典だが、映像や写真だけでなく、これからのメディア社会を考える上でも役立つ論考だ。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 芸術文化
感想投稿日 : 2012年8月10日
本棚登録日 : 2007年12月15日

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