「センター試験「倫理」で出題される問題をとっかかりとして、西洋哲学のあらましと大きな流れを解説した本」。とても分りやすい。入門書を幾つか読んだが、この本は内容がスッと入ってきた(平易なだけに、頭に残りにくいということはあるかもしれない)。
マンガ「ソクラテスの弁明」を読んで、辟易とさせられたソクラテスの弁論手法は、「エイロネイア(アイロニー)」という名前がついていたんだ! 「皮肉」「空とぼけ」「しらばくれ」などの訳語があるが、著者は「ツッコミ」がオススメとのこと。
プラトンのから哲人政治を提唱した理由は、「大衆は本質(イデア)を知らず、感覚の世界を自明視しているから、理性でイデアの世界を知った哲学者がそのことに気づかせないといけない」ということ。ちょっと哲学者の手前味噌な感じがするけどな。
ニーチェの「西洋の哲学や宗教が至高の価値としてきた真理や善も、その根っこには、強者に対する弱者のルサンチマンがある」という考えは頷けたし、サルトルの、「人間は自由の刑に処されている」、はいい言葉だと思った。
読書状況:読み終わった
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教養
- 感想投稿日 : 2021年3月22日
- 読了日 : 2021年3月21日
- 本棚登録日 : 2021年3月21日
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