当然といえばそうなのだけど、お金の話は結局人生の話になっていくんだなあ、と読んでいて感じました。お金の教科書と一言で言っても、語られる内容は、キャリア形成であったり、老後への蓄えの考え方であったりと、人生をトータルでお金がどれくらい必要だろうか、と考える事が重要なのだと思います。
内容としては基礎的な事や、用語的なところが多いけど先に書いたようにカバーしてる部分は幅広い。銀行、保険、投資、破産、税金といったものから、契約や詐欺といった部分まで網羅している。アメリカの制度を元として書かれているので、日本と比較すると、少しイメージしにくいところもあるけれど、考え方としては十分参考になる印象です。
アメリカの高校生は、この本を使ってお金のことを勉強しているそう。自分の高校時代とこの本を比べてみると、公民や政治経済の授業は、その考えが実生活でまったく役に立っていない、ということもないとは思うけど、でもやっぱり実生活に照らしたお金の話もあってもいい、とこの本を読んでいると思います。
内容はやや専門的になる箇所もあるけど、基本的には平易で理解しやすい。基本的なことだけど、貯金の大切さや上手い話の落とし穴、契約を結ぶときに考えることなどは、頓着しない人は、まったく頓着しないし、だからこそ教育として教えることは大事なはず。でも現実の教育ではなかなかカバーしてくれない。だからこそ、こういう本は貴重なはず。
また保険や投資、金利や複利の概念なんかは、改めて教わる機会もないので、そういう意味でも個人的には得るものがありました。
最初に書いたけど、自分の将来を見通し、イメージし、そしてお金は生涯どれくらい必要なのか考えてみるのが大事なことです。
この一冊はあくまで基礎的な話に終始するので、ここから一生のお金のことを考えると、また勉強したり、色々考えないといけないのだけれど、そういう気づきや自覚を与えてくれました。若いうちに読めば読むほど、たぶん得るもの、考える事は多くなると思います。
あまりお金を使う方ではないと思うけど、それでもしばらくはお菓子とかお惣菜とか、小さな買い物は控えめになりそう。でも本は買うのだろうけど……
- 感想投稿日 : 2020年10月11日
- 読了日 : 2020年10月10日
- 本棚登録日 : 2020年10月10日
みんなの感想をみる