異世界迷宮でハーレムを (9) (角川コミックス・エース)

  • KADOKAWA (2023年2月25日発売)
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本棚登録 : 176
感想 : 4
3

実験したりミサンガ作ったりバイト遠征したりする巻。
現時点での最新刊ということで、ここまでの総評もしつつ感想を書いていこうかと。
それはそうと、セリーの目は、呆れたり引いたりしている時のものより、ロクサーヌの胸を見るときのものの方が好きです。

◆本巻雑感
冒険者向けバイトのために遠征するなど、新しい要素も出てきましたが、全体的に準備巻という印象でした。
・セリーは低身長なのもあって、見上げる感じの画角が多くていいですね。
・奴隷の環境見直し回は、「奴隷っぽくなくない?」という観点へのエクスキューズなのかなという印象でした。

ここからは総評系をば。
◆本作の魅力
本作の魅力や売りとしては、ざっくりふたつあると考えています。
ひとつは、「奴隷ハーレムでエロいことしたい!」という欲求への物語、ということですね。
命の軽い世界では、「生きたい」「エロいことしたい」といった原初的な欲求が大事になってくる。
とはいえ、自分の感覚ではこれは表層の話で、もうひとつの魅力こそが、本作の真髄なのかなと思っています。
コミカライズ的な事情の影響かもしれませんが、エロも情熱や浪漫やフェチをあまり感じない、ほどほどの描写ですしね。
絵が綺麗なので無論出来はいいんですけど。

ふたつめの魅力は、(一言で上手く言えないけど)「世界のルールの(ゲーム的な)把握や、検証や、より効果の高い生き方の模索」とでも言いましょうか。(こう書くととても汎用的に見えるな)
スキルやジョブなどについて実験・検証しまくりますが、これが多分本作の魅力なんだろうなと。
正直なところ、本作レベルでやられると、自分は「それって物語なの?」と思うし、そういうゲームにも(ポケモンの厳選すら)興味がなく、自分自身で魅力を感じているかと問われればNOですが、むしろここまでやっているからこそ価値があるとは思います。

「ゲーム的に」やっていることが本作の特徴なのかなと思いますが、ただそれが「お人形さん遊び」感があるというか、他者がいない感じがするんですよね。
アニメを数話見た感じだとそうは感じなかったので、そこはアニメが成果を上げているところなのかなという印象でした。

◆コミカライズとして
原作を読んでいないのではっきりはわからないけど、多分良いコミカライズなんだろうなと思います。
絵は綺麗だし、図で説明したり実験シーンも退屈にならないよう工夫している印象です。
ネガティブ要素は、描き文字が見づらいくらいかなぁ。

◆最後に
他にもゲーム系の作品をいくつか見てきてはいたけど、それぞれのこだわりポイントがあって、それは自分の考えていたより多岐にわたるんだなぁと、(当たり前のことながら)再認識できた良い機会でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー
感想投稿日 : 2023年9月16日
読了日 : 2023年9月16日
本棚登録日 : 2023年9月16日

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