鬼才・水上悟志さんのデビュー前後の読み切り作品を収録した短編集。
絵的にも物語的にも粗削りに感じるところはあるけど、不思議で独特な世界観は、既にこの時からあったんだなぁという印象でした。
一番好きな短編は「読書の時間」。
印象的な短編いくつかについて触れていこうと思います。
・弥一郎
弥一郎の超能力を奪う景子。
こういう、脈絡なく(背景設定はあるかもだけど)「やっちゃう」キャラって、水上作品にたまに見られるような印象。
他作品を読んでいたこともあって、感じ入るものがありました。
・読書の時間
言語化できないけど、なんか好きだった。
短編ってこういう感覚で見るの大事ですよね(自己正当化しつつ)
「勇者」のエピソードを作中作で取り扱っているのが良かったのかな。
・怪人夏伍郎
「マジカル・マリー」はここが原典だったのかw
「惑星のさみだれ」の作中作ですよね。
ナチュラルに凄惨w
・High Jump Rabbit
物語の本筋とは全く関係ないけど、主人公兎塚くんと緑野さんの関係が、なんかたまらんものがありました。好き。
また、瓦屋根に着地するシーンの躍動感がかっこよかった。
・龍と少女と百鬼町
とても時代性を感じる作品。
ラピュタ的な「突然違う世界で生きる少女と人生が交差する」系。
こういうの、なんだかんだ言って浪漫ですよね。
結構好きな短編でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ファンタジー
- 感想投稿日 : 2023年6月17日
- 読了日 : 2023年6月17日
- 本棚登録日 : 2023年6月17日
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