惑星のさみだれ (10) (ヤングキングコミックス)

著者 :
  • 少年画報社 (2010年11月30日発売)
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本棚登録 : 768
感想 : 69
5

完結!!
素晴らしかった!!!
あの時代の空気と面白いものを詰め込んで、凄まじい精度で描き上げた傑作でした。
というか、これほど完璧な作品を連載でやってたとか凄すぎない?
楽しい体験を、ありがとう。

◆未来と大人
「未来は無限の可能性に満ちている」
よく聞く言葉だし、これだけだとひどく薄っぺらい響きです。
しかし、本作には実感を伴ってそう信じられるものがある。
本当にその実感がある、稀有な体験でした。

また、本作で度々出てくる「大人」というキーワード。
これまたテーマとしてはありふれているもののように感じられますが、やはり本作には凄く実体を持って、そしてかっこよい「大人」の姿がある。

どちらにも、希望がある。
無論今子供だったり、学生でモラトリアムな日々を過ごしている人たちにとっても、この未来と大人の姿は希望になると思う。
しかし、今社会で生きる我々にとってもそう映るはずだと感じました。

◆セカイとの繋がり
世界との繋がりが希薄で、自分の終わりと世界の終わりが一足飛びに結び付いてしまう。
さみだれをはじめとして、本作にはそういった人々が何人も出てきますね。
しかし彼らは誰かと繋がりを持って、自分が何を好きか知って、あるいは大切なものを作って、自分と、世界を知っていく。
世界との繋がりを、生きる動機を得て、彼らは成長していく。
続いていく。
ここの見せ方が本当に完璧で、素晴らしい作品でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー
感想投稿日 : 2022年7月2日
読了日 : 2022年7月2日
本棚登録日 : 2022年7月2日

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