凄い。
まだ2巻ですが、これ傑作ですよね、多分。
非常に濃縮度の高い構成、そしてキャラクターへの愛しさを感じる。
まだ物語は始まったばかりですが、どのように収束していくのか楽しみです。
過去生という演目の中で、登場人物たちの魂の芯の部分と、その生の中で獲得した個性の振り幅が、非常に魅力的です。
例えば、それまでどこか読めなさというか、恐ろしさを纏っていたコーコも、過去生でも現代でも、普通の少女としての面を持っていたことが表現されている。
魂の持つ性質と、生きる上で形成された個性と、役割(神官とか)によって特定の人に見せている面。
一面的でない人々の営みやドラマを、非常に魅力的に見せてくれる作品ですね。
素晴らしいです。
いつになっても最初の女に心を奪われがちなのが男という生き物なので(偏見)、未だレイへの愛しさに引っ張られている僕ですが、はぁ、まだ2巻ですがみんなに幸せになって欲しい。特に娘としてのレイに幸せになってほしさが募る。
今まであまり経験のない角度から、キャラクターへの愛しさを掻き立てられているような気がします。
本巻でなぜか涙が止まらなかったのが、182ページ、父親と工房のオヤジが重なるシーン。
何だったんだろうな、リハネラへの想いもあるのだが、なぜかここが一番来た。
自分でもちょっと言語化できないところですが、書きながらちょっと涙腺が緩んでます。
なぜ……?
最後に気になる点をひとつ。
過去生のコーコが、利他的というか全体のためになるような振る舞いを重視しているような気がして、ちょっと気になっています。
「人間としての正しさ」らしさはあるので、特に物語に絡んでこないかもしれないですが、何かあったら、面白いな。
- 感想投稿日 : 2022年6月11日
- 読了日 : 2022年6月11日
- 本棚登録日 : 2022年6月11日
みんなの感想をみる