智にはたらけば角が立つ: ある人生の記録

著者 :
  • 朝日新聞出版 (1999年3月1日発売)
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感想 : 2
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森嶋さんの京都大学時代と大阪大学時代の自伝です。
書名の「智」は、知識、情報の記憶ではなく、理性、理屈が主の漱石の智。
エピソードを読みました。

日本人はますます精神的に弱者になっていきつつあるのかもしれない。知識の量では世界でトップ・グループに属する。しかし自己主張―ただしそれはプリンシプル(原理・原則)に忠実な論理的に説得力のあるものでなければならない―の面では、日本人はますますひ弱になっている。和を強調することは、日本人をますます、(弱者的)にし、(貧弱)にしてしまう。日本人はむしろ逆に論理によってしか屈服せず、相手を論理によって説得する人にならなければならない。現在の日本人は、こういう論理を捨てた和の人生観では、外国人のプードル(猟犬・愛玩犬)になることはできても、外国人を動かすことは決してできないことを銘記すべきである。

と書かれています。
とても戒められて、反省させられる指摘です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年7月13日
読了日 : 2022年7月13日
本棚登録日 : 2022年7月13日

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