コンサル一年目が学ぶこと 新人・就活生からベテラン社員まで一生役立つ究極のベーシックスキル30選

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン (2014年7月30日発売)
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感想 : 283
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私自身は50歳を過ぎてしまったから改めて感じる。
こういう初心を思い出す書籍は本当に大切だ。
普段疎かにしてしまいがちなところを気付かせてくれる。
「正しく働く」というのは、なぜこんなにも難しいのだろうか。
そもそも「正しく働く」の定義が何か分かりづらい。
私の意図するところは、本書に書かれた基本を忠実に実行することだ。
記載されていることはイチイチ正しい。
間違っていることは何一つない。
「本書のこの論は違う。こうじゃないか」と言えるものか。
それぐらい書いてあることは普遍的であり、ゆえに「正しい」のだ。
仕事をする上では、本書のようでなくてはいけない。
しかし、人間というのは手を抜いてしまうのである。
入社1年目の新人の時は、会社で働く全員が先輩だった。
だから先輩方からは細かなことも指摘された。とにかく色々な人から指導された。
時にはこっぴどく怒られた。
いつか自分もそれなりに一人前になり、後輩が出来たり、部下が出来たり。
そして自分が指導する側の立場になる。
怒られるのは嫌だったから、そういう立場を望んでいて、いつか辿り着いた訳だ。
一丁前に部下を怒ってみたりする。
しかしながら今、50歳を超えて大して出世もせずという自分。
怒ってくれる先輩たちはご卒業してしまった。
まだ数名先輩は残っているが、仕事に対するギラギラ感を持ち続けている人も稀有だ。
むしろいい感じで肩の力が抜けて、仕事をサボる訳ではないが、決して私を怒るようなことはしない。
もちろん私だって30年以上も社会人をしていれば、率先して怒られるようなことはしない訳である。
そんな私も、後輩や部下の指導をすることは今でもある。
しかし、私が入社1年目を指導するのはとても気を遣う。
当然間違っていることをしていたら指摘をするのだが、私よりももっとしっかりとした30~40歳代の超優秀な上司がいるのだから、そこは様子を見ながら応対をした方がいい。
そういう意味で改めて本書を読んで、「普段から自分でも実践しているし、大切にしていることだ」と思った。
普段やっていることは間違っていないということだ。
だって、私自身も先輩方からこれらのことを叩き込まれた訳だからだ。
本書は「1年目」をターゲットにしているが、個人的には2~3年目の若手の方が心に刺さるのではないかと思う。
仕事に慣れてきた頃で、先輩たちを面倒に思う時期だ。
下手すると、自分のことを嫌っていて、それで怒っているのではないか?と勘繰ったりしてしまう。
だからこそ、そうではない「普遍の正しさ」をこうして見せることに意味があるのではないだろうか。
本書を読んで、昔自分を怒ってくれた諸先輩方の顔が浮かんだ。
ここに書かれたように、全く同じ怒られ方をされたこともある。
改めてここで気を引き締めたい。
愚直に、とにかく愚直にこれらを実践し続ける。
それが私にとって何よりも大事なことなのだ。
(2022/1/25)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年1月25日
読了日 : 2022年1月25日
本棚登録日 : 2022年1月25日

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コメント 3件

こまつなさんのコメント
2022/05/09

ステキで率直な感想をありがとうございます。人柄を、感じました。
私もこの本は指導に役立つだけでなく、先輩や、会社に恵まれなかった、普通の会社員が、自らの力で自らのチカラをつけていくのに、役立つバイブルのような本だと思います。

人によっては、10年勤めても、目の前の業務ばかりで、この本に記載されていることの半分も教わったことはないというケースもあると、私は感じています。

そんな人の救世主となる本だと思います。

Ogawa Koichiさんのコメント
2022/05/09

こまつなさん、コメントありがとうございます。
出来るだけ読んだ本の感想を書くようにしているのですが、コメントいただいたのは初めてです。
そこに感動しちゃいました。
人との出会いは当然に「一期一会」ですが、良い本との出会いも同じですね。
引き続きよろしくお願いいたします。

こまつなさんのコメント
2022/05/09

こちらこそありがとうございます。
よろしくお願いします。^_^

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