問いかけの作法 チームの魅力と才能を引き出す技術【DL特典付き(未収録原稿)】

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン (2021年12月23日発売)
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感想 : 43
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会議の中で、話が停滞することはよくあることだ。
何のための会議か分からないまま進行し、何が結論か分からないまま終了する。
一方で「神回」のような会議が存在するのも事実だ。
出席者全員が前のめりに参加し、お互いを批判することなく、闊達な意見が飛び交う。
その中で想像を超えるようなアイディアが飛び出して、みんなの興奮が伝わってくる。
会議の終わりには、いつまでに誰が何を行うのかが自然発生的に決まっていき、それぞれが自主性を持って手を上げる。
この2つの会議の違いとは何なのだろうか。
テーマなのだろうか。参加者なのだろうか。それともファシリテーターの力量だろうか。
すべての会議がこんな風に神回になることは難しいかもしれない。
しかし何か法則を知っていれば、少なくとも停滞する会議にはならないだろう。
そういう意味で「問いかけ」が重要と説くのが本書の主旨だ。
「問い」ではなく、「問いかけ」という点がポイントだ。
覚えた方がいい技がいくつかある。
全てを理解して、会議の中の瞬時に切り替えることはなかなか熟練しないと出来ないだろう。
だからこそ実践してみたい。
本書を読むとそう思う。試してみたら場がどうなるだろうか。
参加者は前のめりになってくるだろうか。
そんなことを想像してしまった。
さすがに会議ファシリテーションを研究している学者だけあって、論理展開が学術論文のようだ。
しかし前著の「問いのデザイン」よりも相当に読みやすく、理解しやすい。
これは編集者の力量なのだろう。
不思議な感覚ではあるが、書籍は縦書きが読みやすく感じてしまう。
縦書きに図を入れると、図内の文字は横書きになることが多いから、どうしても読みづらさが出てしまう。
そこを編集の力なのか、デザインの力なのかでカバーしているのか。
前著が非常に良本だったのに、とにかく読みづらかったのが残念だったので、それらが改善されているのはよかった。
「問いかけの作法」作法は数が多いので、すぐに身に付けるのは難しいあろう。
敢えて本書を簡単にまとめてみて、メモ的に手元に持っておけば場に合わせて使えるかもしれない。
そういう意味でも繰り返し読む本になりそうだと思った。
(2021/12/31)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年12月31日
読了日 : 2021年12月31日
本棚登録日 : 2021年12月31日

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