献本でいただいた一冊となります。
いかにもあちらのって感じな王道のSF、
著者はオーストラリアの人で、元々はファンタジー作家とか。
舞台はよくある銀河帝国、主人公はそこの“プリンス・ケムリ”、
プリンス-皇子、、というよりは、大公といった感じ。
プリンスは、全身を遺伝子レベルまで強化されて、
サイボーグ×超能力者、かつ“ある意味”不死身の存在。
そして皇子というからには“皇帝”がいて、
大体20年周期で皇位継承が起こるとの設定。
といっても、皇子は帝国全体で1,000万人おり、
性別も年齢も様々で、中には30回以上生き返った強者も。
皇位継承は、さらにその中から1,000人に絞られて、
その上で、1人が選出されるとのこと。
んん、さすがに向こうはスケールがデカい。
とはいえ、プリンスとしての教育の終了と同時に、
お互いに暗殺し合うような、なんとも殺伐とした世界観でもあります。
で、ケムリもその候補に選ばれるのですが、、
通常のプリンスとはちょっと異なる扱いになります。
不死身の存在から“ただの人間”に一時的に変化し、普通の世界に。
どこか帝王学を彷彿とさせるような冒険譚が始まりますが、、
つきつめていくとそれは、、絶対的な存在である、
帝国皇帝の定期的な代替わりの秘密とも関わりがでてきます。
絶大な権力、文字通り全てを統べる存在となる20年か、
全ての庇護から離れ、全てを自身で選択できる、歳月か。
結果的にケムリは3回死に、3回甦ります。
さて、彼はどのような“生”を選ぶことになるのでしょうか。
これは“人”になり、“生”を取り戻す物語、なのでしょうか。
幸せのかたちは様々ですが“温もり”は忘れたくないな、なんて。
- 感想投稿日 : 2014年10月24日
- 読了日 : 2014年10月23日
- 本棚登録日 : 2014年10月23日
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