シュレーディンガーの少女 (創元SF文庫)

著者 :
  • 東京創元社 (2022年12月12日発売)
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感想 : 36
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ディストピア×ガールがコンセプトのSF短編集。最初の65歳で確実に死が訪れる世界で恰好良い老女が少女と出会う「65歳デス」や肥満者が公開デスゲームに強制的に参加させられる2話目「太っていたらだめですか?」はそうSF色は強くないけど、最終話の表題作と1話前の「ペンローズの乙女」は結構濃いSF。頭使った。どの話にも何らかの喪失があるがコミカルに纏まったり寂寥感が残ったりとバラエティ豊か。コンセプトは「65歳デス」が一番合致していると思う。これと生贄の風習がある島に流れついた少年の話から超壮大な世界に繋がる「ペンローズの乙女」の雰囲気が好み。失われた秋刀魚の味を再現しようとする少女の自由研究「秋刀魚、苦いかしょっぱいか」そう遠くない未来に起きる通過点に自分が立っている気がしてならない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF
感想投稿日 : 2023年5月28日
読了日 : 2023年5月27日
本棚登録日 : 2023年5月28日

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