リサイクル幻想 (文春新書 131)

著者 :
  • 文藝春秋 (2000年10月20日発売)
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本棚登録 : 182
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リサイクルをすると価値の低いものにしか生まれ変わらず、かつ回生、浄化に多大なエネルギー消費と環境負荷を与えるから、やめた方がよいとの主張。特にプラスチックは燃やしてエネルギーに変えた方が合理的。
材料工学専攻の自分にはごくごく当たり前の結論であるのだが、悲しいかな一般の人々にはこういう話は届きにくい。
ではどうするのか?著者は太陽からもらったエネルギーの範囲内で生活するしかないと言っているが、これも理屈としては正しい。しかしながら世界大戦でも勃発して、人口が半分以下に減らない限り実現できないと思われる。かくしてこのまま何も変ることなく、静かに人類は絶滅の方向に進んでいくのだろう。石油がいよいよ枯渇することが明らかになるその時まで、もう誰にも止められない。石油枯渇が誰の目にも明らかになれば、戦争や飢饉で人口は減るだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会時事
感想投稿日 : 2015年7月12日
読了日 : 2015年7月12日
本棚登録日 : 2015年7月2日

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