こどものためのドラッグ大全 (よりみちパン!セ 8)

著者 :
  • 理論社 (2005年4月1日発売)
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感想 : 22
4

違法はダメ!という頭ごなしな考え方でなく、
そもそもドラッグとは?という根本的なことから解説してある。
内容は、ドラッグの効用・成分・歴史を、依存してしまった後のケアの案内etc。

巻末の黄色いページには本文を抜粋して特に重要な個所をまとめてあり、
再確認として非常によくまとめられている。

タイトルに「子供のための…」とついているが、
子供に限らずいろんな立場の人が読んでも理解できる内容になっている。

難点なのは、薬物の成分名がややこしいこと。
「あーもうダメ」と本を投げ出しそうな人。
成分名はみなかったことにして読み進めればよい。
知識になるような内容はきちんと書いてあるから。


引用に書ききれなかったので、印象に残った部分を備忘録する。
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タバコには利点もある。
タバコはよく「百害あって一利なし」といわれるが、少なくとも一利はある。
ニコチンは統合失調症やその他の精神疾患を沈静化させることがわかっている。また、統合失調症に処方されるメジャートランキサイザーの副作用を、ニコチンは緩和させる。
ニコチンには脳を活性化させ、記憶力を改善させ、ドーパミンの放出を促進させる薬理効果のあることもわかっている。アルツハイマー症、パーキンソン病、うつ病、ADHDなどの症状を改善させるとの報告もある。
タバコの喫煙使用はさたれても、ニコチンの持つさまざまな有益な薬理作用は、今後タバコから分離されて、製薬化されていくことだろう。
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読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 医療
感想投稿日 : 2012年1月19日
読了日 : 2012年1月18日
本棚登録日 : 2012年1月18日

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