基本的には良書。
世界中どこの国でも、いつの時代でも通用する一般常識としては、この通りだろうと思う。
ただ、個人的には、その通りにはしたくないなあと思う部分もある。
ルール7 使用目的別の運用はムダ!
使用目的別で運用するのは、同じリスクで全体のリターンが下がり、手数料が上がり、資産流用の融通が利かなくなる。
→理屈はわかる。それぞれにリスク運用するならその通り。我が家の場合は、息子たちの学資をそれぞれの名義で分別管理したいので分けていて、そっちは無リスク状態にしたいので運用資産から分離している。
ルール12 ドルコスト平均法を信じすぎるな!
高値づかみを避けられる、機械的ルールに従って積立ができる、という効果はあるが、金銭的損得の観点から決して有利な方法とは限らない。
ルール26 売買は合理的に!
合理性だけから考えると時期を分割して買うのは無意味。極大値で買わずに済むという気休めにしかならない。
→人間には気休めが必要な場合もあると思う。相場商品では極大値は極端に高いこともあるので、それを避けるために労力をかけるのは、それはそれでいいと思う。
ルール16 株価指数を知りパッシブ運用に注意しよう!
インデックスファンドを使ったパッシブ運用は低コストでわかりやすいというメリットがあるが、指数自体の構成を変えられてしまう場合は投資家が損をさせられることもある。
→ちょっと過敏反応のような気もする。そこを疑い出したらインデックス運用自体が成り立たない。
ルール17 外貨投資は立派な『投機』です!
為替リスクは、それを負うことでリターンのプレミアムはない。
→一般論として「長期的に為替は中立」と考えるのであればその通り。自分は、長期的には円は対ドル対ユーロで下がると思っているので、その思惑で外貨建ての投資をしている。
ルール28 株は予想の変化とPERの2つでOK!
あえて個別株への投資を勧める理由:1.面白いから、2.手数料コストが明朗、3.個別株への投資が投資家の自己責任を実感させてくれる。個別株の割高・割安を判断するにはPERが最適。
→個人的には、個別株の銘柄選択に面白さは感じない。面白いと感じる人がやる分にはそれでいいんだろうけど。(^^)
投資に関する基礎知識とある程度の経験があって、この辺の「自分自身にとってこのアドバイスは受け入れるべきか否か」を判断できる人には、とてもいい本だと思う。
- 感想投稿日 : 2018年10月13日
- 読了日 : 2015年1月2日
- 本棚登録日 : 2018年10月13日
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