100年無敵の勉強法 ――何のために学ぶのか? (ちくまQブックス)

著者 :
  • 筑摩書房 (2021年9月17日発売)
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 地球科学の研究者で、京大の人気教授であった著者が、どうして勉強しないといけないの?受験なんて意味ないんじゃないの?などの疑問に答えてくれます。

内容をまとめてみました。

○「コンテンツ学力」…覚えた知識がそのまま使える学力のこと
「ノウハウ学力」…新しい知識を獲得する能力(試験日までにこなす勉強のスケジュールを組むなど、限られた時間で成果を上げる訓練を積むこと)
この二つの学力が必要である。

○私たちが勉強するのは、人類の知的遺産を継承するため。受験で得た知識とノウハウは一生の宝。人類の遺産を知る始まりが、実は平凡に見える学校の勉強にある。

○自分プロデュースのための[戦略](自分が何になりたいか、どうしたいのかを考え、大きな枠組みを立てること)と[戦術](例えば数学ならばどの参考書にするのか、どのような手順で勉強するのか、などを具体的に考えること)が大切。

○[棚上げ法]今わからない事は無理に理解しようとせず、とりあえず先へ進む。実は、先に進んでみると、思ったよりも簡単に理解できることが多い。
○完璧主義を求めない不完全法。
○頭をクリエイティブに動かせるのは1日1時間までと考え時間管理をする1時間法。
持ち時間にはメリハリをつけ、大事な仕事から最初にやること。重要なことを普段から優先優先して行うようにしておく

○オフの時にするといいこと
1、勉強以外の何かに熱中する。
2、ぼーっとして過ごす時間を持つ
3、自分の人生を振り返る時間を持つ

○英検は読む書く聞く話すの4要素を持っており有効。

○本は面白いと思うものを本ものから順番に読み、ノートのようにたくさん書き込みをして使い倒す

受験にチャレンジすることは無用の努力ではなく、人生に不可欠な能力を身に付ける絶好のチャンスとなる。
「ノブレス・オブリージュ」フランス語で「地位あるものは責任を伴う」と言う意味。教育を受けてきたものが、勉強して得たことを社会に還元する、そのこと自体がとても楽しいこととなる。

賢い方が考える、無駄がなく、興味を持ち、活きた勉強をするススメが書かれていました。全体的にとても共感でき、ためになりました。が…将棋の楽しさを知り、勉強を拒絶するようになった息子くんをまた勉強に向かわせる自信は残念ながら生み出せませんでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年4月1日
読了日 : 2022年4月1日
本棚登録日 : 2022年3月11日

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