古代の人々は我々のような自我を持たず、日常的に聞こえる内なる神の声に従って生きてたのではないかという驚愕の仮説。ちょうど統合失調症患者のように。
しかし都市に住み文字を読み書きするようになるにつれ、その声が聞こえなくなり人々の間に不安が走る。
当初はデルフォイ神殿の巫女や卑弥呼のような代理人に伺いを立てていたが、それでも収まらなくなると神との契約を文書に記した強固な宗教が生まれた。
知恵の実を食べ自我に目覚めてしまった人たちは神の楽園を追放され、孤独と不安と共に生きることを余儀なくされ現代に至る。
その仮説に則ると、なぜ古代ではあんなにも巨大な王墓の建設に人々が従ったのか、そして古いものほど大量の生贄が共に埋葬されているのかが何となく理解できる。
スペインに征服されたインディオたちには生贄の風習があったが、彼らは古代的な精神構造であったがゆえに、易々と蹂躙されたのではとも。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
自然科学
- 感想投稿日 : 2023年11月22日
- 読了日 : 2022年12月23日
- 本棚登録日 : 2022年12月15日
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