樋口一葉: われは女なりけるものを (NHKシリーズ NHK文化セミナー・明治文学をよむ)

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  • NHK出版 (1997年10月1日発売)
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 樋口一葉といえば、短命・短編・薄幸の思いがよぎる。他方で近代文学では女性職業作家の先鞭を付したとの思いも強い。

 作品を丹念によみ、それぞれの作品に対する検討、解析、評価が多い中、全体像を検討するなかで、なにが見えてくるのか。

 本書では作家論と作品論が大きなテーマかと思う。作品論では『大つごもり』『にごりえ』『十三夜』『たけくらべ』などが検討される。

 テーマの多様性。作品を通じての主張。そこに一葉作品の特質があると、著者は提示している。「いくつものテーマ、ストーリーが何重にも隠されている」(まえがき 口絵)。

 女性の身で、女性をテーマにすえ、文壇で注目をうけたゆえんであり、しかも長く愛される要因ということかと、思いいたらせてくれる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 人文科学
感想投稿日 : 2011年10月30日
読了日 : 2011年10月30日
本棚登録日 : 2011年10月30日

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