なんか読んだことある気がする、、、と読んでいるときにずっと思っていたのだが、「貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える」と内容がほぼ同じだと気が付いた。
両者とも論じているのは、国や地域がほかよりも貧困になるのはなぜか、という理由である。
それは地理的な理由からであろうか?特に南アフリカ諸国はヨーロッパ諸国よりもPoorであるが、それは地理的な理由がそうさせているのだろうか?
はたまた人間性がそうさせているのか。南アフリカの人々はヨーロッパ人よりも勤勉でなく、イノベイティブでない遺伝子を有しているのだろうか。
答えは否、である。
それは、地理的な問題でも人種的な問題でもない。政治的な理由である。ということである。
しかしながら、民主主義であれば良いか、といえばそうではない。歴史を紐解いていくと、国民がイノベーションを産むインセンティブを有するのか、ということに行きつくようだ。
そのインセンティブを勝ち取るために、時には血とともに権利を勝ち取ったのだ。
が、本書を読んでもじゃあ、どうすればいいのか、という問題も生じる。南アフリカはある程度民主化しているし、イノベーションを生むインセンティブもあるけれどいまだに発展途上国の域を出ない。
仮に、優秀な指導者がほぼ独裁的に政権を運営して国が豊かになれば(Singapore!!)それはそれで成功事例といえる。
豊かになるための方法はいくつもあり、それは事後的に見れば説明可能であるが、そのときにどうしたらよいか、という答えは教えてくれないだろう。
このような考察から、どの要因が支配的になるのか、というエッセンスを抽出することが重要ですね。
- 感想投稿日 : 2021年6月28日
- 読了日 : 2021年6月28日
- 本棚登録日 : 2021年6月21日
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