国立成育医療センターの笠原麻里先生が監修なさっています…じつは以前一度だけ笠原先生のご講演(ご講義)をお聴きしたことがあって,それ以来大ファンになってしまったので,先生が関わられた本と知って迷わず手に取った次第。
個人的な事情はともかくとして,もちろん中身のほうもとてもわかりやすくまとめられています。
自分がもし思春期のうつというテーマで話をする機会があったらこんなふうに話せたらいいなぁ…と思うことが本当に漏れなく網羅されている感じです。いくらよい本でも自分の普段の臨床スタイルとは何となく重ならない,と思ってしまうようなこともあったりしますが,この本は私にはとてもしっくりくる印象でした。
特に,精神発達を縦糸に,ライフイベントなどを横糸に喩えた「こどもの心は反物のように成長する」という比喩にはとても頷けます。うつの背景にある心のつまずきに発達障害が潜んでいることも…と明記してあるのもいいな,と思いました。
発達障害を主軸にした書籍のなかで二次障害としてのうつ病やうつ状態について触れられていることは多いけれど,うつ病・うつ状態についての本の中で発達障害についてきちんと説明がある本ってあまり見掛けないような気がするのは私だけでしょうか。
(成人のうつ病・うつ状態だってそうだよね,と個人的には思っていますが…。)
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- 感想投稿日 : 2009年7月3日
- 本棚登録日 : 2009年7月3日
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