人生にはたくさんの穴がある。それは人によってどのようなものか千差万別でしょう。小さい穴であったり、大きな穴、穴とはもはやいえない溝のような長い穴かもしれません。
これは二度と引き抜くことのできない深い穴に足を踏み入れてしまった二人の儚くも悲しい復讐の物語。
人生での失敗・成功は環境に左右されることの大きい運任せのものである、というように、幼少時代の家庭環境、青春時代の学生生活は自分のあずかり知らぬ影響を受け左右されることも多い。
本作の霧子とは違い、なんとも耐え難いことを「先送り」にできず、また、霧子における瑞穂のような唯一の心の拠り所を持たない人が実際に存在することに思いを馳せると心が締め付けられる思いとなる。
そうした人が一人としていなくなる世の中を願いながら、今なお苦しい思いをする方たちへ一言置いておこうと思う。
いたいのいたいの、とんでゆけ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2020年9月5日
- 読了日 : 2020年9月5日
- 本棚登録日 : 2020年9月1日
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