よわむしおばけのたんじょうび (フォア文庫 A 71)

  • 理論社 (1989年10月1日発売)
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感想 : 7
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「コールタールのたんじょうび」、「コールタールとめざまし時計」、「コールタールと雨ふり」、「うらめし山は、だれのもの」の4編。

「コールタールのたんじょうび」
自分の誕生日を知りたくなったコールタールは誕生日を探しに行く。
もうたくさん生きたから誕生日をあげる、というおばあさんと出会う。
鳥には2回誕生日がある。
たまごが生まれた日と、たまごの殻から出た日。

「コールタールとめざまし時計」
寝ている間に何かしてしまうのではないか、と心配で寝られない人間と出会う。
起きている間のことも忘れてしまうのに、寝ている間のことなんて覚えていられないとコールタールは気づくのだった。

「コールタールと雨ふり」
なくならない雨粒、宝石を探して人間の町へ。
間違えてダイヤモンドのイヤリングを飲み込んでしまい、危うく手術で輪切りにされそうになる。

「うらめし山は、だれのもの」
うやめし山を開発に来た社長が、コールタールを見ておばけを捕まえて金儲けをしようと企む。
おばけを捕まえる機械、スイトールに魔法使いが細工をして人間のもとへ返す。
社長の姿が消え、工事現場の監督の姿も消えて、工事はストップし、うらめし山はまた静かになる。

鳥には2回誕生日があるとか、発想が面白い。
小さな描写もよく出来ていて、こういう文章を書けるようになりたい。
発想が羨ましい~。

一番最後の話は終わり方が怖い。
社長たちが「吸い込まれた」という表現はないのに、どうなったかが想像出来る…。
社長たちはどうなってしまったのか…考えると恐ろしい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2013/06
感想投稿日 : 2013年6月11日
読了日 : 2013年6月11日
本棚登録日 : 2013年6月11日

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