反知性主義 (新潮選書)

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  • 新潮社 (2015年2月20日発売)
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感想 : 115
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アメリカはプロテスタントが作った国。
ほんとこれに尽きるんだなぁと思った。

プロテスタントとは、富と権力を欲しいままにして肥大化したカトリック教会に反抗した人々。
同時の最高の学問は神学で、中世以前のヨーロッパでは支配者階級たちが独占していた。神の教えは聖職者によって民衆へ与えられるものだったが、その教えが本当に正しいのか疑問を持ち、自ら聖書を読んで旧い土地を去ったのが彼らだ。

反知性主義は決して知性そのものに反対しているのではない。知性が権力を持ち、自分たちを支配してくることに反対をし、平等な社会を希求している。ヨーロッパ的キリスト教世界を脱した彼らの社会は、社会の建設を志す一団とその支配者を常に警戒する一団とが両輪となって独自の進化を遂げてゆく。

アメリカの社会に対する様々な違和感の正体がこの本によって明らかになって面白かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年2月25日
読了日 : 2022年2月23日
本棚登録日 : 2022年2月17日

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