骨・ホネ・ほねの写真集である。
骨があるという時点で脊椎動物に限られはするが、さまざまな動物の骨である。
それがいろいろな視点からまとめられて並べられている。
骨? 気味悪くない? おもしろいの? と言われそうでもあるが、何だか見入ってしまうのだ。
羽毛や肉の下にあるのがこうした形なのだな、とか、この骨があるからあの動きがあるのか、とか、しみじみと見ると興味深い。
見ただけで圧倒される、しゅるりと見事なヘビの骨格。
飛ぶのに有利であるようにパイプ構造や中空構造で軽量化された鳥の骨。また翼を動かすための胸筋を支える竜骨突起。
片や、枝分かれして毎年落ちるシカ科の角、こなた、枝分かれせず一生生え替わらないウシ科の角。
ヒトにはない、中篩骨(オリックスの鼻の中にあるレース状の骨)、陰茎骨(交尾時間を長くし、受精を確実にするためのもの)。
骨格標本に関するコラムもいくつかあり、興味深く読んだ。
標本づくりには、骨だけの状態にする工程、ばらばらになったものを組立てる工程がある。標本の楽しさに目覚めた子どもたちの話も楽しい。
密やかで美しく、興味深い。奥深い骨の世界である。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
生物
- 感想投稿日 : 2013年3月22日
- 読了日 : 2013年3月22日
- 本棚登録日 : 2013年2月26日
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