リヴァイアサンのような透徹な理性の輝きは本書にはない。あるのは、ただただ平和への願い、そして王への敬慕の念。ホッブズほどの知性でも、イングランド内戦の背景にある大きな社会の変化を見抜くことはできなかった。しかし、立脚点としての自然権の思想は何よりも強力である。多くの血が無駄に流され、結局はあるべき姿へ戻るしかなったと(ホッブズには思われたのだろう)。不毛な争いを繰り返さないために、自然権を永遠のものとするために、すべての人類はリヴァイアサンを読まなければならないと、ホッブズは確信を強めたに違いない。それは絶対に正しい。
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- 感想投稿日 : 2015年4月20日
- 読了日 : 2015年4月20日
- 本棚登録日 : 2015年4月20日
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