マンガでやさしくわかるアドラー心理学

著者 :
制作 : 星井博文  深森あき 
  • 日本能率協会マネジメントセンター (2014年7月4日発売)
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感想 : 152
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□漫画は読みやすかったが、解説の内容が読みづらい印象を受けた。個人的に同じアドラー心理学をテーマにしている、『嫌われる勇気』の方が読みやすい印象を受けた。
□本書で一番面白いと思ったのが、「怒り」の感情に対しての考え方である。怒りというのは二次感情と言われるもので、その下に一次感情と呼ばれるものがある。この一次感情は、悲しみ、心配、寂しいなどがある。怒りの感情の根底には何があるのか、相手に怒りをぶつけてしまう前に一度立ち止まって、自分を見つめ直すことで、良好な対人関係を築くことが出来ると思った。

以下、本書より

◎アドラー心理学の理論 p23
1.自己決定権…自分を主人公にする。人間は、環境や過去の出来事の犠牲者ではなく自ら運命を創造する力がある
2.目的論…人間の行動には目的がある。過去の原因ではなく、未来の目標を見据えている人間の行動には、その人特有の意志を伴う目的がある
3.全体論…人は体も心もたった一つ。人は心の中が矛盾対立する生き物ではなく、一人一人かけがえのない、分割不能な存在である。
4.認知論…誰もが自分だけのメガネを通してものを見ている。人間は、自分流の主観的な意味づけを通して物事を把握する。
5.対人関係論…全ての行動には相手役がいる。人間のあらゆる行動は、相手役が存在する対人関係である。
・アドラー心理学の重要な価値観「共同体感覚」これは家族、地域、職場などの共同体の中での所属感・共感・信頼感・貢献感を総称したもの。仲間との間の「つながりや絆の感覚 p24
・「原因論」…過去の原因が現在に支配的な影響を及ぼしている過去思考の考え方。「目的論」…未来の目標が現在を規定する未来志向の考え方。p50
・原因を探ることは、解説にはなるけど解決には結びつかない p73抜粋
・アドラー心理学の重要な概念「ライフスタイル」…自分についての信念、自分の周りの世界に対する信念p62
○勇気くじきのパターン p71
1.高すぎるハードルの設定
2.達成できていない部分の指摘
3.人格否定
○ベイシックミステイク(基本的な誤り)p75
→自分自身も生きにくく、周囲との間でも摩擦を生じてしまいががちな歪んだ意味づけ
1.決めつけ(可能性しかないのにレッテル貼り)
2.誇張(大袈裟に捉えてしまう)
3.見落とし(ある部分だけみて大事な側面を見落とす)
4,過度の一般化(仕事で起こった問題をきっかけに全人格まで否定してしまう)
5.謝った価値観(破壊的な価値観で、生きていても仕方ないと考えてしまう)
○ベイシックミステイクの脱出方法 p77
1.証拠探し(本当にそうなのか証拠を探す)
2.その瞬間を捉える(あ!やっちゃってる!と危険ゾーンに入る手前で食い止めること)
3.ユースフル(破壊的・自滅的な方向に行きそうな舵を切ること)
・怒りは二次感情。本当の感情は二次感情の下にある。これを一次感情という。(一次:落胆、心配、悲しみ、寂しさ、傷つき)カッとなっても一呼吸おいて一次感情は何か、自分は何に対して怒っているか見つめ直すだけで未来志向で物事を解決できる。
・二次感情としての怒り
→怒りの感情は「支配」、「主導権争いで優位に立つこと」、「権利擁護」、「正義感の発揮」の4つある。怒りの感情は感情の中でも最も対人関係の要素が強い「二次感情」と言われ、別の感情「一次感情」が根底にあることを忘れてはいけないp112
○いい人間関係を築くために
あらゆる行動には相手役がいる。その相手役と良好な人間関係を築く方法は以下の通り
1.尊敬…人それぞれに年齢・性別などの違いがあるが、人間の尊厳に関しては違いないことを受け入れ、礼節を持って接する態度。
2.信頼…常に相手の行動にある善意を見つけようとし、根拠を求めず無条件で信じること
3.協力…目標に向けて仲間と合意できたら、共に問題解決の努力をすること
4.共感…相手の関心、考え方など置かれている状況に関心を持つことp190
○自分自身を勇気づけるカギ
1.所属感(自分の居場所をもつ)
2.信頼感(周囲に対する信頼のこと)
3.貢献感(自分が世の中のために役立っている感覚)
→3つとも「感」がついている。客観的事実がどうであれ、自分自身で確信することが大切p212
・勇気づけをするためには言葉(断言)、イメーシ(断想)、行動(断行)の3つで物事がすでに成就したかのように、肯定的な使い方をする。p214
○他者を勇気づける法
1.ヨイ出し 2.加点主義でかかわる 3.プロセスを重視 4.失敗を受け入れる 5.感謝を伝えるp217

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年1月3日
読了日 : 2021年1月1日
本棚登録日 : 2020年12月30日

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