エマ 10巻 (BEAM COMIX)

著者 :
  • エンターブレイン (2008年4月25日発売)
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本棚登録 : 1677
感想 : 140
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☆3- (完結)

 前半は面白かったです。(全巻を通して言うと、最初の三分の一くらい。ちょっときつめな表現になりますが「だって最後の方の数冊は、スピンオフだけですから。」)

 (今になって読めば、かもしれませんが、一般的にみても、だと思うのですが)身分違いの恋というありがちな設定とはいえ、出会いやその後の心情をきれいに描いていたので、前半はとても興味がわきました。個人的には、全然エマは好みではないし、共感も持てないのですが、それでもロミオとジュリエット的な、結ばれない相手との恋愛設定は、気を引くのに十分でした。どうしてかと言うと、その結ばれるはずのない相手とどう結ばれるのかという展開に興味がわくからです。という事で、私的には、後半は、かなりがっかりでした。二人が勝手に盛り上がっても、それはそれ。結婚にたどり着くまで、もしくは、その後を含めて周りの人達にどの様に認められていくのかまでがあって、はじめてこのテーマに決着がつき、納得がいって満足するのだと思うのです。というか、私はそうです。二人が勝手に盛り上がり、勝手に(一部の理解者だけに囲まれて)結婚したって、どうでもいいじゃないですか。そんなの。勝手にやっているだけなんですから。障害があって盛り上がる恋は、その障害を乗り越えて解決して、はじめてすっきり納得できて、面白いのであって、障害を放っておけるのであれば、障害じゃないんです。というか、そんな設定に意味がないのだと思うのです。というわけで、私的には、エマはがっかりだったのです。

 後半の、スピンオフ集については、一つ一つは面白いものが多かったです。質もいいと思いました。でも、こんなのばっかり集められても、それでは、ちょっとつまらないのです。ちょっとまとめて一杯過ぎだと思いました。それでも、もし、同じ量でも、始めから(一巻からとかに)上手にちりばめて収録されていれば、それ程とは思わなかったと思います。これは、みせ方、もしくは全体構成が甘かったために起こってしまった、もったいない例ではないかと思います。

 最後に、個人的には、脇役のキャラの方が味があって好きでした。エマはちょっと残念で、別に美人だと思わなかったし、めがね萌えも感じませんでした。いい子を描いているのですが、ちょっと無個性なんですよね。私から見ると。個性のあるエピソードや言葉がなさ過ぎで。昔の「黙って俺に従え」タイプの人の好みなんでしょうか・・・?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画
感想投稿日 : 2011年8月21日
読了日 : 2011年7月19日
本棚登録日 : 2011年7月17日

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