「夢」の認知心理学

著者 :
  • 勁草書房 (2011年2月15日発売)
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感想 : 4
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夢を見る、というのは「現実には起きていないこと」が意識に現れることであるので「幻覚」と同じ働きによるものであって、夢と幻覚に大きな違いはないようです。
 
また「夢を見る」という機能を進化の途中でどのように獲得したのかは不明なようですが、本書によるといつ外敵に襲われてもいいようにしておくため、との説が有力なようです。

ほとんどの場合、夢を見ている間は「自分が眠っている」とはまったく気がつかない。覚醒している間に「自分は覚醒している」という感覚を持つことなく生活しているのと同じく、「夢を見ている」ときは、覚醒しているという感覚を持つことなく「覚醒している」状態にあります。
では覚醒しているとは何をして覚醒しているといえるのか、というあたりのグレーなところはよくわからないらしく、そもそも覚醒と睡眠をどう分けるのかもよくわからないようです。

読んでいても「わからない」ことだらけなのですが、それでも現時点で分かってはいることは詳しく書かれていて夢についてよくわかりました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年12月4日
読了日 : 2020年12月5日
本棚登録日 : 2020年3月9日

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