日本最初の官撰国史であり、六国史の始である『日本書紀』の現代語訳。訳文のみを収めており、それに小見出しと注釈を付けた形式となっている。上巻では巻第一から巻第十八、神代から宣化天皇までの内容を収録している。
『古事記』と双璧を成す日本神話(記紀神話)の原典である本著は、『古事記』とは異なった形の神話や歴史を伝えており、非常に興味深い。特に複数の説を併記する神代篇(巻第一~巻第二)ではそれが顕著で、『古事記』には登場しない神が現れたり『古事記』に登場する神が現れなかったりする。両方に登場する神でも描かれ方は(大筋は変わらないものの)双方異なっていて、両者を読み比べてみるとより面白さが増すであろう。
そんな本書ではあるが、内容理解の為にもう少し解説や注釈は増やしてもよかったのではないかと感じた。また和歌が本文カタカナ・漢字フリガナという形式で記されているので少々読みにくかった。
なお、先にも述べた通り本書は現代語訳しか載せていないので、原文や書き下し文のテクストを別に用意しておくと理解がより深まる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本神話
- 感想投稿日 : 2013年9月4日
- 読了日 : 2013年9月3日
- 本棚登録日 : 2013年6月2日
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